うつ病は増え続けている
昨年の12月に厚労省が発表した平成26年の患者調査では、
111.6万と報告され、過去最多の患者数であると指摘しています。
年代別ではでは、40代が20%近くを占め最多で、
働き盛りの40代、50代が罹患していることが分かっています。
うつ病の患者数について、同じく厚生労働省の調査によれば、
日本の気分障害(うつ病など)の患者数は、
1996年には43.3万人、1999年には44.1万人とほぼ横ばいでしたが、
2002年には71.1万人、
2005年には92.4万人、
2008年には104.1万人、
と著しく増加の一途とたどって来ました。
うつ病の患者数が増え続けていることに関連して、
厚労省でも自殺予防について積極的な対策が進められており、
なんと、自殺予防週間9月10日~16日なるものまで出てきました。
なぜ、うつ病が増え続けているのか、という根本的な問題についての
調査や研究というものについて調べはじめていますが、
おそらく要因があまりにも多岐にわたっているために、
分析は難しいと思います。
私は、大学の医学部を卒業して、東京医科大学の精神科の医局に
入局して精神医学の臨床や研究を始めしばらくしてから、
日本の近い将来の人間の心の有り様は危機的になるであろうと、
ハッキリと予測するようになりましたし、
日本の社会的、現実的な現象としてそのようになりました。
うつ病に限らず、精神的に不安定な人々が増えていますし、
これからも増え続けて行くと思います。
このような現象に対して、果たして精神医学という手段は有効なのでしょうか。
私は、個人的には、患者数が増え続けているがん疾患を、
現代医学では予防できないし、再発予防もできないのと同様に、
精神医学では、この現象は変革不能であると考えています。
なぜできないのか、それは現代医学のあり方に問題があるからです。